2015年09月02日

つくしが俺に何をくれたの

花沢邸

「類様、汗かかれてますね…着替えましょう。」

「あれ?はな枝どうしたの?つくしは?」

「ちゃんと西門様につくし様の事をお願いして来ましたので大丈夫でございます。」

「・・・つくしは総二郎がいれば大丈夫だね・・・。」

「類様、兎に角今はお熱を下げなければ・・・。」

「いいよ、別に俺が熱で倒れても誰も心配はしない・・・。」

「そんな事はございません。つくし様が悲しまれますよ。」

「つくしが?そんな訳無いよ・・・。つくしは総二郎が好きなんでしょう?」

「つくし様がお好きなのは・・・。私の口からは言えませんが・・・。
つくし様からお預かりしたものがございます。」

「何?つくしが俺に何をくれたの?」

「何でも手作りのゼリーのようですよ。Wedding Master今日つくし様がお作りになったそうです。」

「見たい。持って来て。」

「では汗を拭いてお着替えしたら持って来ましょう。丁度良く冷えてる頃だと思います。」

類ははな枝の言う通りに着替えた。そして子供の様に楽しみに
つくしのゼリーを待っていた。

トレーに乗せられたゼリーはつくしがはな枝に、渡したままの箱に入っていた。
その隣にスプーンとお皿が乗せられていた。

「類様こちらでございます。どうぞ!」

「うんありがとう。」

箱を類が開けるとゼリーの器が5個

その上に和紙で折った折り鶴とそれに何か書いてあった。

「早く良くなってね。 つくし」

類は凄く嬉しい気持ちになった。
箱の中のゼリーは金魚鉢で泳ぐ金魚と水中花のような
花をあしらったゼリー。類はその可愛さに思わず見入っていた。
さっきまでの昏い顔が一気に明るい顔になっている。
不思議なものだ・・・。類様はご両親がお忙しい為に幼少の頃から人に
興味を全く示さずにいつもこの邸で一人心を壊してしまっていた。
司様、あきら様、総二郎様、そして静様だけが唯一話せる友達だった。

「ねぇ、はな枝これ可愛いし綺麗だね。」

「はい、とても・・それに美味しそうですね。」

「うん・・でも食べると無くなっちゃうね。」

「大丈夫ですよ、つくし様がまた作ってくださいます。お食べになりますか?」

「うん。食べてみる。」

「では、お取りしましょう。」

お皿に乗せたゼリーを愛しそうに眺める類
そして、スプーンですくって口に入れた。

「冷たくて甘くて、美味しい・・・。」
それをはな枝は微笑んで見ていた。

このままでは、類様は勘違いをしてしまう・・・。つくし様は辛い気持ちで
類様を諦めてしまう。このお二人はきっと恋してるお互いを必要としてるのだ。
どうにかして、つくし様の気持ちを類様に伝えて差し上げたい。
はな枝はそう思っていた。


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Posted by 浪漫刺客 at 16:12 │笑顔相見

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